リニアアクチュエータとはモーターによって生じた回転運動を、軸に沿った直線運動に変換するセルフサポート構造のシステムです。このようにして、押したり、引いたり、上げたり、下げたりする運動、また、過重を傾ける運動を生み出します。アクチュエータは直交ロボットと組み合わせたり、機械に組み込まれたコンポーネントとして使用されるのが、最も一般的です。
アクチュエータの主な活躍の場として、以下が挙げられます。
レーザーやプラズマ平面切断加工機、ワークのロード・アンロード、生産ラインでのマシニングセンターのワーク給送、外部軸に沿って移動することで、可動範囲を広げる多関節ロボットなどのアプリケーションを思い浮かべてください。
こうしたアプリケーションで、ひとつ以上のリニアアクチュエータが使用されています。 アプリケーションのタイプ、そして精度、許容荷重、スピードといったパフォーマンスのどれを優先するかによって、いくつかあるアクチュエータのタイプから選択することになります。
またその際、決定打となるのは運動伝達要素のタイプです。運動伝達要素の主な3つは以下です。
適切なアクチュエータを選ぶにはどうしたらいいのでしょうか?新しいアプリケーションに挑む工業デザイナーが考慮にどんな要素でしょうか?
リニアモーションのソリューションについては、正しい観点から問題を見る必要があります。つまり、どんなアプリケーションなのか、そしてとりわけ、どんな成果とパフォーマンスをあなたが望んでいるのかを考えるべきなのです。ですから、まずはどんなダイナミクス、ストローク、精度が必要なのか考えるのが肝要です。 詳細を見てみましょう。
工業デザインの多くの分野、例えばパッケージ分野のように、設計者に課せられる要求として非常に多いのが、サイクルタイムの短縮とスピードに関連するものです。そのため、ソリューション決定に際して、まず高いダイナミクスを念頭に置くのは自然の流れです。 高いダイナミクスに関しては、多くの場合ベルト駆動が理想的なソリューションとなります:
高いダイナミクスに加え10-12m以上のストロークを望む場合、ラックピニオン駆動のアクチュエータもソリューションとして理想的です。事実10 m/s2の最大加速度と3.5 m/s の最高速度が可能で、ストロークはほぼ無限になります。 他のタイプのアクチュエータを選択するなら、同様の結果を期待できないでしょう。ねじ駆動システムなら、確かに精度の面ではより優れますが、速度が遅く、このようなロングストロークを実現することはできません。
直交ロボットの典型となるX-Y-Z 構成のシステムは、ピック&プレースや、生産ラインではマシニングセンターのワーク給送において、しばしば数十メートルにおよぶ超ロングストロークが必要です。多くの場合、通常Y軸が担うロングストローク時には、数百キロにおよぶ過重や、それぞれ独立した動作をする複数のZ軸に対応しなければなりません。 このようなアプリケーションでは、Y軸にとって最適なのはラックピニオン駆動のアクチュエータであることは間違いありません。その理由は、
ベルト駆動システムは10-12mまでのストロークに適し、ボールねじ駆動のアクチュエータはロングストロークの場合、臨界速度のために制限ができます。
しかし、微細部品の組み立てや、例えば医療分野のハンドリングといったアプリケーションで設計者が高精度を求めている場合、選ぶならボールねじ駆動のリニアアクチュエータを置いて他はありません。
このような条件では、ボールねじ駆動のリニアアクチュエータなら±5 μ以内の繰り返し位置決め精度という、最高のパフォーマンスを保証してくれるからです。
同様のパフォーマンスは、ベルト駆動アクチュエータでも、ボールねじ駆動のそれでも比較にならず、実際、どちらも±0.05 mmの繰り返し位置決め精度しか実現できません。
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