アプリケーションにどのリニアガイドを選ぶか決めるにはあらゆる角度からアプリケーションを注意深く評価することが必要です。 移動する荷重、速度や加速度、保証してくれる精度のレベル、汚れや異物からのプロテクションなどのパラメータが、リニアガイド選定の際に非常に重要になるのは明らかです。 しかし数多くのアプリケーションにおいて、性能や寿命の面だけでなくプロジェクトの簡素化、アプリケーションのコスト削減といった面で差がつくパラメータは、取り付け面誤差の吸収機能です。ここでは、ローラータイプのリニアレールの使用が望ましい条件と、最も効果的なアプリケーション分野について詳しく述べたいと思います。
ローラータイプのリニアレールを選ぶべきなのはいつ?
設計の自由度とミスアライメント
ローラータイプのリニアレールは高速で静音走行が可能で、並行度、平面度のいずれもミリメートルオーダーの誤差に対応できるガイドです。
アプリケーション設計の際、まず最初に考えるべきなのはレールの取り付け面の状態についてだと言えるでしょう。
実際、精度にも剛性にも欠ける構造体に取り付ける場合は、こうした不正確さに対応できるレールを選ぶことをお勧めします。
追加費用、仕上げ処理や設置の際の複雑なアライメント作業などの煩雑さを回避できるからです。
工業自動化の世界では、このケースのアプリケーションは枚挙にいとまがありません。
パッケージングマシン、ステーション間のワーク搬送、マシニングセンタの保護ドアや、さらに特殊車両、鉄道などの野外アプリケーション、また医療機器の自動化などが例として挙げられます。

汚れの多い作業環境
ローラーベアリングを使ったリニアレールは、その転動体の直径のため、ボールタイプのレールに比べて不純物処理において明らかに有利です。
それだけではなく、汚れからの保護、転動面からの異物の除去を担う装置を設置することもできます。粉塵、削りくず、加工処理残留物、その他異物全般の多い環境では非常に有効です。
腐食環境での作業
リニアガイドを扱うメーカーの優秀さは、湿気、酸、または塩基などの腐食性物質にさらされるアプリケーション用に製品を選ぶときに、いかに多彩な高耐食性表面処理のオプションを提供できるかに表れます。
この場合に効果的なのは、パシベート処理された電気亜鉛メッキやニッケルメッキの処理工程です。
静音走行
今日では産業環境においても騒音公害の問題がますます注目されており、生産部門のデシベルレベルを制限するようになっています。
そこで、ベアリングタイプのレールの中でも特にスムーズで静かなスライド動作を約束する、研削された転動面を備えた製品を選択するのが望ましいのです。
その他にも、静音走行が不可欠であり、同時に品質の保証となる場合もあります。医療や小売業、また航空機インテリアのアプリケーションを考えてみればお分かりでしょう。

興味深い事実:ダヴィンチから現代までのローラーベアリングレール。
転動体を利用したベアリングの最初の例には、イタリアの天才レオナルドダヴィンチによって考案されたものがあります。
ダヴィンチは可動部分と固定部分の間の摩擦を球体によって減らすことができることを理解しており、構造のスケッチを残しています。
ローラーベアリングの最初の特許は、1794年にフィリップ・ヴォーンによって出願されました。ヴォーンは馬車の設計に携わったウェールズの発明家で、ローラーベアリングを利用した車軸ユニットの特許を取得しました。
彼が馬車に使っていた車軸は摩擦のためにすり減りが早かったのですが、ローラーベアリングを使用することによって駆動シャフトと軸の直接接触が避けられるようになったのです。
1869年8月3日には、もうひとつの特許がパリの自転車整備士ジュール・スリレイによって出願されました。このベアリングが使用された自転車は、1869年11月の第1回パリ‐ルーアンレースで優勝しています。
今日知られるローラーの開発と工業化は、1899年にティムケン・カンパニーを創立したヘンリー・ティムケンの貢献により19世紀に進められました。
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